GTカーの車内環境

GT第2戦も終わりましたがやっぱり車内は暑かった。

そう、車内は暑いんです。

よくサウナのようだといわれるGTカーの車内がどうなっているのか皆さん疑問に思ったことはありませんか?

今日はそんなGTカーの車内環境について解説したいと思います。

GTカーの車内環境はまあまあ過酷

クルマの運転ってそんなに体力必要ないでしょ、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが実はまあまあ過酷で大変です。

何が大変かひとつづつ見ていきましょう。

車内の温度はどれくらい?

A.30度から50度くらい

レーシングカーはかなりの熱を発します。

エンジン、ブレーキ、タイヤ、いろんなところから熱を出すのでそれが伝わり車内もかなりの高温になります。

スーパーGTを戦っているNSX GT3の車内温度を測ったところ40度超えでした。

これでもまだ涼しいほう、ひどいと50度超えてきますからそうなると殆どサウナです。

それではドライバーが熱中症になってしまうのでエアコン(市販車のようには効かないけど)を付けたりクールスーツと呼ばれるドライバー冷却装置を使用します。

それでもたまに冷却装置が壊れて熱中症になることがありますが。。。

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2020年開幕戦のNSX GT3車内温度。42度から43度でレースをしていました。

ブレーキやクラッチは重いの?

A.めちゃ重い

レーシングカーには乗用車についている真空倍力装置というブレーキ踏力をアシストしてくれる部品が付いていません。

なのでブレーキペダルは信じられないほど重く、乗った後は大体筋肉痛になります。

GTカーのブレーキペダルは親の仇のように踏む、が基本です。

クラッチペダルも(NSX GT3にはついてないけど)とても重いです。

数百馬力のエンジンパワーをロスなく伝えなければならないのですから当然ですよね。

しかし幸いなことに今はパドルシフトとなっているので発進以外ではクラッチを踏むことはありません。

Gはどれくらい?

A.横Gは大体2.5Gくらい

車種にもよりますがNSX GT3だと最大で2.5Gくらい、GT500になると3Gを超えてきます。

参考までにF1だと5Gを超え、スーパーフォーミュラで4Gオーバー、ノーマルのS660で1.3Gです。

3Gを超えてくると普通の人は運転できないと思います。

シートはどうなっているの?

A.体をホールドしてくれる頑丈なシートがついている

GTカーではFIAのルールに則ったとても頑丈なシートが付いています。

サイドサポートなども高く横Gもしっかり支えてくれます。

フォーミュラーカー等は発泡ウレタンで体にぴったりフィットするシートを作りますが、GTカーでもシートのサイズが大きい場合などは少しだけ発泡して体にフィットするよう工夫する場合があります。

運転中は強烈なGが体にかかってくるのでこのシートがしっかりフィットしていないと運転中に体が痛くなり集中できないので実はとても重要な箇所なんですよ。

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KTM X-BOW GT4用に制作した発泡シート。箱車でもシートが合わない時は発泡します。

水は飲めるの?

A.少しだけ飲めます

基本的には大体のレーシングカーにはドリンクを搭載することが出来るようになっています。

しかし量は多くて1リットル程度。

暑いからと調子に乗ってがぶ飲みしているとアッというまになくなります。

なくなるだけならまだいいのですが、、、

レース中トイレはどうするの?

A.ひたすら我慢

催してしまったら最後、対策はありません。

ドリンクの量は気を付けましょう。

どうでしたか?

なかなか過酷な環境でレースしている事がわかっていただけたんじゃないでしょうか!

特に夏場のドライブが大変なGTですが、またすぐに灼熱の鈴鹿でレースがあるので倒れないように頑張ります!

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